子どもがロタウイルス感染症にかかってしまった場合、どのくらいの期間、感染力があり、いつから保育園や幼稚園、学校に登園・登校させても良いのか、保護者の方にとっては悩ましい問題です。他の子どもへの感染を防ぐためにも、また、本人の体調を考えても、適切なタイミングを見極めることが大切です。まず、ロタウイルスの感染力ですが、発症前から症状が治まった後も、比較的長期間にわたって便の中にウイルスが排出されると言われています。一般的には、発症後一週間から十日程度が最もウイルス排出量が多いとされていますが、長い場合は数週間から一ヶ月以上も便中にウイルスが排出され続けることがあります。そのため、完全にウイルスを排出しなくなるまで登園・登校を控えるというのは現実的ではありません。登園・登校の目安については、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」などを参考に、かかりつけの小児科医の指示に従うことが基本となります。一般的に、ロタウイルス感染症の場合、登園・登校の目安は、「嘔吐や下痢の症状が治まり、普段通りの食事が摂れ、全身状態が良いこと」とされています。つまり、吐き気や腹痛がなくなり、便の状態もほぼ通常に戻り(水様便でなくなり、回数も減る)、元気に遊んだり活動したりできるようになれば、登園・登校を検討しても良いでしょう。ただし、前述の通り、症状が治まった後も便中へのウイルス排出は続くため、登園・登校を再開した後も、しばらくは手洗いやトイレ後の処理(特におむつ交換など)に細心の注意を払い、二次感染の予防に努める必要があります。保育園や学校によっては、独自の登園・登校基準を設けていたり、医師による登園許可証(治癒証明書)の提出を求められたりする場合があります。事前に園や学校に確認しておくことが大切です。そして何よりも、子どもの体調を最優先に考えることが重要です。症状が完全に治まり、体力が回復してから、無理のない範囲で集団生活に戻れるように配慮しましょう。
ロタウイルス感染期間と登園・登校の目安