メニエール病の疑いで医療機関(主に耳鼻咽喉科)を受診する際、医師に自分の症状や状況を的確に伝えることは、正確な診断と適切な治療を受けるために非常に重要です。しかし、いざ診察室に入ると緊張してしまったり、何を伝えれば良いのか分からなくなってしまったりすることもあるでしょう。事前に伝えるべきポイントを整理し、準備をしておくことで、スムーズなコミュニケーションに繋がります。まず、最も重要なのは「いつから、どのような症状が、どのくらいの頻度で、どのくらいの時間続くのか」です。めまい(グルグル回る回転性か、フワフワする浮動性かなど)、難聴(どちらの耳か、どの程度聞こえにくいか、変動はあるかなど)、耳鳴り(どのような音がするか、常に鳴っているか、時々かなど)、耳閉感(耳が詰まった感じ)といったメニエール病の四つの主要症状について、それぞれ詳しく伝えましょう。発作が起こった日時や状況、持続時間などを記録した「めまい日記」や「症状日記」をつけている場合は、それを持参すると非常に役立ちます。次に、「めまい発作の誘因となるもの」についても、思い当たるものがあれば伝えましょう。例えば、ストレス、疲労、睡眠不足、天候の変化、特定の食事などが考えられます。また、「めまい以外の随伴症状」についても詳しく説明します。吐き気や嘔吐、冷や汗、顔面蒼白、動悸、頭痛、肩こり、手足のしびれなど、めまいと同時に現れる症状があれば、全て伝えましょう。「日常生活への支障の程度」も重要な情報です。めまいによって仕事や家事ができない、外出するのが怖いといった状況があれば、それを伝えることで、治療の必要性や緊急性の判断材料となります。過去の病歴や現在治療中の病気(特に高血圧、糖尿病、甲状腺疾患など)、服用している薬(市販薬やサプリメントも含む)、アレルギーの有無、喫煙歴、飲酒歴、生活習慣(睡眠時間、ストレスの状況など)なども、医師にとっては重要な情報です。これらの情報をメモにまとめておくと、診察時に落ち着いて伝えることができます。遠慮せずに、自分の言葉で正直に、そして具体的に伝えることが、より良い治療への第一歩となります。