喉の奥がイガイガする、唾を飲み込むと痛い、熱が出てきた…。こんな症状が現れたら、「扁桃腺が腫れているのかもしれない」と考える方が多いでしょう。扁桃腺は、喉の奥、口蓋垂(のどちんこ)の両脇にあるリンパ組織で、外部からの細菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫の役割を担っています。この扁桃腺が炎症を起こすと、扁桃炎(扁桃腺炎)となり、様々なつらい症状が現れます。では、この扁桃腺の腫れや痛みが疑われる場合、まずどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科としては、耳鼻咽喉科が挙げられます。耳鼻咽喉科医は、その名の通り耳、鼻、喉(咽頭・喉頭)の病気を専門としており、扁桃腺の炎症や関連疾患の診断と治療において中心的な役割を担います。医師は、専用の器具を使って扁桃腺の状態(赤み、腫れ、膿の付着など)を直接観察し、炎症の程度を正確に把握することができます。必要に応じて、細菌検査(迅速検査や培養検査など)を行い、原因となっている病原体を特定し、適切な抗菌薬の処方や、症状を和らげるための消炎鎮痛剤、うがい薬などを処方してくれます。また、内科やかかりつけ医も、扁桃腺の腫れや痛みの初期対応を行ってくれる診療科です。特に、高熱や全身倦怠感が強い場合、あるいは近隣に耳鼻咽喉科がない場合などには、まず内科で相談するという方も多いでしょう。内科医も、扁桃炎の基本的な診察と治療を行うことができます。小児の場合は、まず小児科を受診するのが一般的です。小児科医は、子どもの全身状態を考慮した上で診察を行い、適切な治療を選択してくれます。症状が重い場合や、扁桃炎を繰り返す場合には、小児科から耳鼻咽喉科を紹介されることもあります。いずれの診療科を受診するにしても、自己判断で市販薬だけで済ませたりせず、早めに医師の診察を受けることが、症状の悪化を防ぎ、早期回復への近道となります。