水疱瘡にかかると、発疹とともに発熱が見られることがよくあります。この熱は、いつから始まり、どのくらいの期間続くのでしょうか。また、発熱時の注意点についても理解しておきましょう。水疱瘡の発熱は、通常、発疹が出現する一日から二日前、あるいは発疹とほぼ同時に現れることが多いです。ただし、発熱の程度やタイミングには個人差があり、全く熱が出ない場合や、微熱程度で済む場合、あるいは発疹が数日出た後に熱が出る場合もあります。熱の高さは、三十七度台の微熱から、時には三十九度を超えるような高熱まで様々です。一般的に、発疹がたくさん出ている時期、つまり新しい水疱が次々とできている発症後三日から五日間程度は、熱も比較的高く、持続する傾向があります。その後、新しい発疹の出現が治まり、既存の水疱が乾燥してかさぶたに変わっていくにつれて、熱も徐々に下がっていくのが通常の経過です。多くの場合、発疹が出始めてから一週間以内には解熱します。ただし、免疫力が低下している人や、合併症(例えば、細菌による二次感染や肺炎など)を起こしている場合は、熱が長引いたり、一度下がった熱が再び上がってきたりすることがあります。発熱時の注意点としては、まず、水分補給をこまめに行うことです。発熱によって体内の水分が失われやすくなるため、湯冷ましや麦茶、経口補水液などを少量ずつ、頻繁に与え、脱水症状を防ぎましょう。食事は、消化の良い、喉越しの良いものを、本人の食欲に合わせて与えます。無理強いは禁物です。衣類は、汗を吸い取りやすい綿素材のものを選び、厚着させすぎないように注意します。汗をかいたら、こまめに着替えさせてあげましょう。室温も快適に保ち、適度に換気を行うことも大切です。解熱剤の使用については、医師の指示に従うことが基本です。高熱でつらそうな場合は、アセトアミノフェンなどの比較的安全性の高い解熱剤が処方されることがあります。自己判断で市販の解熱剤(特にアスピリン系のもの)を使用するのは避けましょう。