妊娠中はホルモンバランスの変化や免疫力の低下などから口内炎ができやすいと言われますが、特に注意が必要な時期はあるのでしょうか。一般的に、妊娠初期と妊娠後期は、口内炎ができやすい、あるいは悪化しやすい時期と考えられています。まず、妊娠初期(妊娠2ヶ月~4ヶ月頃)は、つわりの影響が大きい時期です。つわりによって、吐き気や嘔吐、食欲不振が起こり、栄養バランスが偏ったり、食事量が減ったりしがちです。特に、皮膚や粘膜の健康維持に必要なビタミンB群やビタミンC、鉄分などが不足すると、口内炎ができやすくなります。また、つわりで歯磨きが十分にできない、あるいは嘔吐によって胃酸が口の中に逆流し、口腔内の環境が悪化することも、口内炎のリスクを高める要因となります。さらに、妊娠初期はホルモンバランスが急激に変化する時期でもあり、体がその変化に対応しきれず、免疫力が低下しやすいとも言われています。次に、妊娠後期(妊娠8ヶ月~10ヶ月頃)も、口内炎ができやすい時期です。この時期は、お腹が大きくなることで胃が圧迫され、一度にたくさんの量を食べられなくなったり、逆流性食道炎のような症状が出やすくなったりすることがあります。これにより、栄養不足や口腔内環境の悪化を招く可能性があります。また、出産への不安や、体の変化による不快感などから、ストレスを感じやすくなることも、口内炎の誘因となることがあります。ただし、これらの時期以外でも、妊娠中は常に口内炎のリスクがあると考えた方が良いでしょう。ホルモンバランスの変化は妊娠期間中を通じて起こりますし、免疫力も通常よりは低下している状態が続きます。また、妊娠中の貧血も口内炎の原因となることがあります。大切なのは、妊娠のどの時期であっても、口腔内の清潔を保ち、バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠と休息を取るなど、口内炎の予防に努めることです。もし、口内炎ができてしまった場合は、早めに適切なケアを行い、症状が悪化しないように注意しましょう。