突然、周囲がグルグルと回転するような激しいめまい、耳鳴り、難聴、そして耳の閉塞感(詰まった感じ)…。これらの症状が同時に、あるいは時間差で繰り返し起こる場合、それは「メニエール病」かもしれません。メニエール病は、内耳のリンパ液の圧力が異常に高まること(内リンパ水腫)が原因で起こると考えられている病気で、放置すると難聴が進行したり、めまい発作が頻繁に起こり日常生活に大きな支障をきたしたりすることがあります。では、このメニエール病が疑われる場合、まずどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科は、耳鼻咽喉科です。耳鼻咽喉科医は、耳、鼻、喉の病気を専門としており、メニエール病の診断と治療において中心的な役割を担います。問診(いつから、どのような症状が、どのくらいの頻度で起こるか、誘因となるもの、既往歴など)や診察(眼振検査:目の動きを調べる検査など)に加え、聴力検査、平衡機能検査(体のバランスを調べる検査)といった専門的な検査を行い、メニエール病であるかどうか、また他のめまいを引き起こす疾患(例えば、良性発作性頭位めまい症や前庭神経炎、突発性難聴、あるいは稀ですが聴神経腫瘍など)との鑑別を行います。メニエール病と診断された場合、治療としては、まず発作時の症状を和らげるための薬物療法(めまい止め、吐き気止め、抗不安薬など)が行われます。そして、発作を予防し、病気の進行を抑えるために、利尿薬や血流改善薬、ステロイド薬、ビタミン剤などが用いられることがあります。また、生活習慣の改善指導(ストレス管理、十分な睡眠、塩分を控えた食事など)も重要です。かかりつけの内科医にまず相談し、症状に応じて耳鼻咽喉科を紹介してもらうという方法も良いでしょう。特に、めまいが非常に激しい、あるいは他の神経症状(手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないなど)を伴う場合は、脳の病気の可能性も否定できないため、神経内科や脳神経外科との連携が必要になることもあります。
メニエール病かも?最初に相談すべき診療科