痛風の治療は、痛風発作時のつらい症状を和らげることと、根本的な原因である高尿酸血症を改善し、発作の再発や合併症(腎臓障害や尿路結石、生活習慣病など)を防ぐことの二つが大きな柱となります。そのため、薬物療法と生活習慣の改善を両輪として、根気強く取り組んでいくことが重要です。まず、痛風発作が起きている急性期には、炎症を抑え、痛みを軽減するための薬物療法が行われます。主に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、ステロイド薬(内服または関節内注射)が用いられます。これらの薬は、発作の初期に開始するほど効果が高いとされています。発作が治まった後、あるいは発作がない時期(間欠期)には、血液中の尿酸値を下げるための薬物療法(尿酸降下療法)が開始されます。尿酸降下薬には、体内で尿酸が作られるのを抑える「尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタットなど)」と、腎臓から尿酸を排泄するのを促す「尿酸排泄促進薬(プロベネシド、ベンズブロマロンなど)」、そして尿酸を分解する酵素薬などがあります。医師は、患者さんの尿酸値や腎機能、合併症の有無などを考慮し、適切な薬剤を選択し、目標値(通常は血清尿酸値6.0mg/dL以下)を目指して治療を行います。尿酸降下薬は、自己判断で中断したり、量を調整したりせず、医師の指示通りに長期間継続して服用することが非常に重要です。薬物療法と並行して、生活習慣の改善も不可欠です。食事療法としては、プリン体を多く含む食品(レバー、魚卵、肉類、ビールなど)の摂取を控えめにし、バランスの取れた食事を心がけます。特に、アルコールは尿酸値を上昇させ、痛風発作を誘発する大きな原因となるため、節酒または禁酒が推奨されます。水分を十分に摂取し、尿量を増やすことも、尿酸の排泄を促すのに役立ちます。肥満は高尿酸血症のリスク因子であるため、適度な運動(有酸素運動など)を取り入れ、体重管理を行うことも大切です。ただし、激しい運動はかえって尿酸値を上昇させることがあるため、注意が必要です。ストレスを溜めないようにすることも、間接的に痛風のコントロールに繋がります。これらの薬物療法と生活習慣の改善を根気強く続けることが、痛風と上手に付き合っていくための鍵となります。