ロタウイルス感染症は、多くの場合、適切な対症療法によって自然に軽快しますが、稀に重篤な合併症を引き起こすことがあるため、注意が必要です。特に乳幼児や、免疫力が低下している人は、合併症のリスクが高いと言われています。最も注意すべき合併症の一つが、脱水症状です。激しい嘔吐や下痢によって、体内の水分と電解質が大量に失われるため、容易に脱水状態に陥ります。初期には、口の渇き、尿量の減少、機嫌が悪いといった症状が現れますが、進行すると、ぐったりして元気がなくなる、皮膚の弾力性が失われる、目がくぼむ、手足が冷たくなる、脈が速く弱くなる、意識が朦朧とするといった危険な状態になります。重度の脱水は、点滴治療が必要となり、場合によっては入院が必要になることもあります。次に、けいれん(特に熱性けいれん)も、ロタウイルス感染症に伴って起こりやすい合併症の一つです。高熱が引き金となって、全身の筋肉が硬直したり、手足がピクピクと震えたりする発作が起こります。多くは数分以内に治まりますが、けいれんが長時間続く場合や、繰り返す場合は、脳に影響が出る可能性もあるため、速やかな医療機関の受診が必要です。また、非常に稀ではありますが、脳炎や脳症といった中枢神経系の合併症も報告されています。これらは、意識障害やけいれん、麻痺などの神経症状が現れ、後遺症を残すこともある重篤な状態です。その他、腸重積症(腸の一部が隣接する腸内に入り込んでしまう病気)や、肝機能障害、腎不全といった合併症も、稀に起こることがあります。これらの合併症のサインを見逃さないためには、子どもの状態を注意深く観察することが重要です。高熱が続く、ぐったりしていて水分も全く摂れない、嘔吐や下痢が止まらない、血便が出る、けいれんを起こした、意識がおかしいといった症状が見られた場合は、自己判断せずに、直ちに医療機関を受診してください。早期の対応が、重症化を防ぐために最も大切です。