「後頭部がズキズキ痛む」「首の付け根が重くて凝り固まっている感じがする」「頭を動かすと痛みが走る」…。このような後頭部や首の付け根の痛みは、多くの人が一度は経験するかもしれない不快な症状です。原因は様々で、一時的な筋肉の疲労から、注意が必要な病気まで考えられます。では、この痛みに悩まされた時、まずどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科としては、整形外科が挙げられます。整形外科医は、骨、関節、筋肉、靭帯、腱、神経といった運動器系の疾患や外傷を専門としており、後頭部や首の付け根の痛みの一般的な原因である筋肉の緊張(いわゆる肩こりや首こり)、頸椎(首の骨)の変形(頸椎症)、頸椎椎間板ヘルニア、むちうち(頸椎捻挫)などの診断と治療において中心的な役割を担います。問診や診察、そして必要に応じてレントゲン検査やMRI検査などを行い、原因を特定します。また、神経内科も選択肢の一つです。特に、痛みが頭痛として現れる場合や、しびれ、めまい、吐き気といった他の神経症状を伴う場合は、神経内科での診察が推奨されます。緊張型頭痛や後頭神経痛、あるいは稀ですが脳の病気(脳腫瘍や脳血管障害など)が原因である可能性を調べます。ペインクリニックも、痛みの治療を専門とする診療科であり、後頭部や首の付け根の慢性的な痛みに対して、薬物療法や神経ブロック注射といった専門的なアプローチで対応してくれます。かかりつけの内科医にまず相談し、症状に応じて適切な専門科を紹介してもらうという方法も良いでしょう。特に、高血圧やストレスなどが痛みの背景にあると考えられる場合は、内科的な視点からのアドバイスも重要になります。自己判断でマッサージをしたり、市販の痛み止めだけで済ませたりせず、痛みが続く場合や、他の気になる症状がある場合は、早めに専門医の診察を受けるようにしましょう。
後頭部や首の付け根の痛み…何科を受診すべき?