大人が扁桃炎にかかると、仕事や日常生活に大きな影響が出ることがあります。適切な治療とセルフケアで、つらい症状を和らげ、早期の回復を目指しましょう。扁桃炎の治療の基本は、原因となっている細菌やウイルスに応じた薬物療法と、安静、そして対症療法です。細菌感染(特に溶連菌など)が原因であると診断された場合は、抗菌薬(抗生物質)の内服が処方されます。ペニシリン系やセフェム系、マクロライド系などの薬剤が、医師の判断によって選択されます。処方された抗菌薬は、症状が改善しても自己判断で中断せず、必ず指示された期間、最後まで飲み切ることが非常に重要です。途中でやめてしまうと、再発したり、合併症のリスクが高まったりします。ウイルス感染が原因の場合は、特効薬はないため、症状を和らげる対症療法が中心となります。発熱や喉の痛みに対しては、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬など)が処方されます。喉の炎症を抑えるために、うがい薬やトローチ、喉スプレーなどが用いられることもあります。セルフケアとしては、まず安静と休養が第一です。高熱や強い倦怠感がある間は、無理をせず、できるだけ横になって体を休めましょう。十分な睡眠をとることも、体力の回復には不可欠です。次に、水分補給をこまめに行うことです。発熱によって体内の水分が失われやすくなるため、経口補水液やスポーツドリンク、湯冷まし、麦茶などを少量ずつ、頻繁に摂取し、脱水症状を防ぎましょう。食事は、喉の痛みが強いため、刺激の少ない、喉越しの良いものを選びましょう。おかゆや雑炊、うどん、スープ、茶碗蒸し、ゼリー、プリン、アイスクリームなどがおすすめです。熱いものや辛いもの、酸っぱいもの、硬いものは避けましょう。また、室内の湿度を適切に保ち(加湿器などを使用)、喉の乾燥を防ぐことも大切です。マスクの着用も、喉の保湿や、周囲への感染拡大を防ぐのに役立ちます。喫煙は喉への刺激となるため、絶対に避けましょう。これらの治療とセルフケアを適切に行うことで、症状の早期改善が期待できます。
大人の扁桃炎治療薬とセルフケア