水疱瘡の最も特徴的な症状は、全身に現れる赤い発疹と水ぶくれ(水疱)です。この発疹は、時間とともに特徴的な変化を遂げていきます。その変化の過程を理解しておくことは、病気の進行度を把握する上で役立ちます。まず、発疹の初期段階では、体幹部(胸、お腹、背中など)や顔を中心に、虫刺されのような赤い小さな斑点(紅斑)や丘疹(少し盛り上がった発疹)が現れます。この時点では、まだかゆみはそれほど強くないこともあります。この紅斑や丘疹は、出現してから数時間のうちに、急速に水ぶくれ(水疱)へと変化していきます。水疱は、最初は小さく、中には透明な液体を含んでいますが、次第に大きくなり、周囲が赤く腫れぼったくなることもあります。この水疱の時期に、強いかゆみを感じることが多いです。水疱は、非常に破れやすく、掻き壊してしまうと中の液体が周囲に広がり、新たな発疹の原因になったり、細菌感染を起こしたりする可能性があります。水疱が出現してから一日から二日程度経つと、水疱の中の液体が徐々に濁り始め、膿疱(のうほう:膿を持つ水疱)へと変化します。この時期もかゆみは続きます。そして、膿疱は次第に乾燥し始め、かさぶた(痂皮:かひ)を形成します。かさぶたは、最初は黒っぽい色をしていますが、時間とともに茶色っぽくなり、やがて自然に剥がれ落ちます。無理に剥がすと、皮膚に傷がつき、痕が残りやすくなるため注意が必要です。水疱瘡の発疹の大きな特徴は、これらの紅斑、水疱、膿疱、痂皮といった様々な段階の発疹が、体のあちこちに同時に混在して見られることです。新しい発疹は、通常、発症後三日から五日間程度出現し続けるため、常に新しい水疱ができている状態が続きます。全ての発疹がかさぶたになれば、感染力はほとんどなくなり、治癒に向かっているサインと言えます。
水疱瘡の発疹どう変化する?初期からかさぶたまで