スポーツ中や日常生活で、足首や手首などをグキッとひねってしまい、痛みや腫れが生じる「捻挫」。軽い捻挫であれば自然に治ることもありますが、症状が強かったり、なかなか改善しなかったりする場合は、医療機関の受診が必要です。では、捻挫をしてしまった場合、まずどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科としては、整形外科が挙げられます。整形外科医は、骨、関節、筋肉、靭帯、腱、神経といった運動器系の疾患や外傷を専門としており、捻挫の診断と治療において中心的な役割を担います。問診(いつ、どこで、どのようにケガをしたか、症状の程度など)や診察(患部の腫れ、圧痛、不安定性の有無などを確認する徒手検査など)を行い、捻挫であるかどうか、また靭帯損傷の程度を評価します。そして、骨折や脱臼といった他の重篤な外傷の可能性がないかを確認するために、必要に応じてレントゲン(X線)検査や、場合によっては超音波(エコー)検査、MRI検査などを行うこともあります。もし、捻挫だけでなく骨折などが疑われる場合は、整形外科での専門的な治療(ギプス固定や手術など)が必要になります。一方で、捻挫の程度が非常に軽く、明らかな骨折の兆候がないと思われる場合や、休日や夜間などで整形外科が受診できない場合には、かかりつけの内科や総合診療科、あるいは救急外来を受診するという選択肢もあります。これらの科でも、初期の応急処置や痛みのコントロール、そして整形外科への紹介の判断などを行ってくれます。特に、痛みが非常に強い、腫れがひどい、内出血が広範囲、体重をかけることができない、関節がグラグラするといった場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。適切な初期対応と治療が、後遺症を残さず、早期に回復するための鍵となります。