手のひらの過剰な汗に悩む手掌多汗症。いざ医療機関を受診しようと思った時、皮膚科と神経内科、どちらが良いのか迷うことがあるかもしれません。それぞれの診療科の役割と特徴を理解し、適切な受診先を選ぶことが大切です。まず、皮膚科は、皮膚および皮膚付属器(汗腺、毛髪、爪など)の疾患を専門とする診療科です。手掌多汗症は、汗腺の機能異常が主な原因と考えられるため、皮膚科が診断と治療において中心的な役割を果たします。皮膚科では、問診や視診に加え、発汗テスト(ヨードデンプン反応など)を行って汗の範囲や量を客観的に評価することがあります。治療法としては、塩化アルミニウム溶液などの外用薬、イオントフォレーシス療法(水道水に微弱な電流を流して行う治療)、ボツリヌス毒素注射(ボトックス注射)といった保存的治療が主に行われます。また、日常生活での注意点やスキンケアに関するアドバイスも受けられます。一方、神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉といった神経系全体の病気を専門とする診療科です。手掌多汗症が、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)やパーキンソン病、あるいは自律神経系の異常を伴う他の神経疾患の一症状として現れている可能性を鑑別診断する際に、神経内科の受診が考慮されることがあります。特に、手のひら以外の部位にも多汗が見られる、あるいは手の震え、動悸、体重減少、筋力低下といった他の神経症状や全身症状を伴う場合は、神経内科での精密な検査が必要となることがあります。また、精神的なストレスや緊張が発汗を誘発する要因となっている場合、心療内科との連携が図られることもあります。どちらの科を受診するか迷う場合は、まず、手のひらの汗が主な症状で、他の全身症状があまりない場合は、皮膚科を受診するのが一般的です。そこで、より専門的な神経学的評価が必要と判断されたり、他の疾患が疑われたりした場合には、神経内科や内分泌内科などを紹介されるという流れになることが多いでしょう。
皮膚科?神経内科?手掌多汗症の受診先の選び方