新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった後、急性期の症状が治まっても、様々な症状が長期間続く「後遺症(罹患後症状)」に悩まされる人がいることが知られています。では、発熱後に現れた発疹が、コロナ後遺症として続くことはあるのでしょうか。また、どのような場合に注意が必要なのでしょうか。新型コロナウイルス感染症の急性期に皮膚症状(発疹)が現れることは、前述の通り報告されています。これらの発疹は、多くの場合、他の症状(発熱や咳など)の改善とともに自然に消えていきますが、中には数週間から数ヶ月程度、発疹が持続したり、あるいは一度消えた後に再燃したりするケースも報告されています。特に、しもやけに似た凍瘡様紅斑は、比較的長く症状が続くことがあると言われています。また、急性期には皮膚症状がなかったものの、回復後に新たに蕁麻疹のような発疹が繰り返し現れるようになったり、皮膚のかゆみが続いたりといったケースも、コロナ後遺症の一つとして考えられています。これらの皮膚症状がコロナ後遺症としてどのくらいの期間続くのか、どのようなメカニズムで起こるのかについては、まだ十分に解明されていない部分も多いのが現状です。考えられるメカニズムとしては、ウイルス感染による免疫系の過剰な反応や、炎症の持続、あるいは自律神経の乱れなどが関与している可能性が指摘されています。もし、新型コロナウイルス感染症にかかった後、発疹が長引いたり、新たに出現したりして気になる場合は、まずは皮膚科を受診し、相談してみることをお勧めします。医師は、発疹の状態や他の症状、感染時期などを考慮し、適切な診断と治療法(例えば、抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬など)を提案してくれます。また、コロナ後遺症外来などを設けている医療機関であれば、皮膚症状だけでなく、倦怠感や息切れ、集中力の低下といった他の後遺症も含めて、総合的な相談やサポートを受けることができる場合があります。自己判断せずに、専門家の意見を聞き、適切な対応をとることが大切です。
発熱後発疹とコロナ後遺症の可能性は?