新型コロナウイルスワクチンを接種した後に、発熱や発疹といった副反応が現れることがあります。これは、ワクチンによって体内で免疫反応が誘導される過程で起こるもので、多くの場合、数日以内に自然に軽快します。しかし、どのような場合に注意が必要で、どのように対処すれば良いのでしょうか。まず、ワクチン接種後の発熱は、比較的よく見られる副反応の一つです。接種部位の痛みや腫れ、倦怠感、頭痛、筋肉痛などとともに、三十七度台後半から三十八度以上の熱が出ることがあります。通常は、接種後一日から二日目がピークで、その後徐々に解熱していきます。発熱がつらい場合は、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:イブプロフェンやロキソプロフェンなど)といった解熱鎮痛剤を服用することで症状を和らげることができます。十分な水分補給と休息も大切です。次に、ワクチン接種後の発疹ですが、これも様々なタイプが報告されています。接種部位の赤みや腫れ、かゆみといった局所的な反応だけでなく、全身に蕁麻疹のような膨らみや、赤い斑点、水ぶくれなどが現れることがあります。これらの皮膚症状も、多くは一時的なもので、数日で自然に消えていくことが多いです。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服や塗り薬が有効なことがあります。ただし、注意が必要なケースもあります。例えば、発熱が何日も続く、あるいは一度下がった熱が再び高くなる、発疹が広範囲に広がり、水ぶくれやびらんを伴う、強いかゆみや痛みが続く、息苦しさやめまい、意識障害といった全身症状が現れるといった場合は、単なる副反応ではなく、他の感染症やアレルギー反応、あるいは稀ですが重篤な副反応(アナフィラキシーや心筋炎、心膜炎など)の可能性も考えられるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。ワクチン接種後の体調変化については、自己判断せずに、不安な点があれば接種を受けた医療機関や、かかりつけ医に相談するようにしましょう。
コロナワクチン接種後に発熱と発疹が出たら?