腱鞘炎は、一度治っても、原因となった生活習慣や体の使い方が改善されなければ、再発を繰り返しやすい病気の一つです。つらい痛みを繰り返さないためには、日頃からの予防策が重要になります。日常生活でどのような点に注意すれば良いのでしょうか。まず、最も大切なのは、手や指の使いすぎに注意し、同じ動作を長時間続けないことです。パソコン作業やスマートフォンの操作、楽器の演奏、手仕事など、特定の動作を繰り返す場合は、こまめに休憩を取り、手首や指のストレッチを行うようにしましょう。例えば、一時間に一度は手を休め、手首をゆっくりと回したり、指を反らせたり、グーパーしたりするだけでも効果があります。次に、作業環境を見直すことも重要です。デスクワークの場合は、キーボードやマウスの位置、椅子の高さなどを調整し、手首に負担のかからない自然な姿勢で作業できるように工夫しましょう。手首の下にリストレストを置くのも有効です。また、重い物を持つ時や、力を入れる作業をする時は、手首だけで持ち上げようとせず、腕全体や体幹の力を使うように意識しましょう。道具を使う場合は、持ちやすいグリップのものを選んだり、電動工具を活用したりするのも良いでしょう。スポーツをする場合は、正しいフォームを身につけ、ウォーミングアップとクールダウンをしっかりと行うことが大切です。また、サポーターやテーピングで関節を保護することも、再発予防に役立ちます。体を冷やさないこともポイントです。冷えは血行を悪くし、筋肉や腱を硬くするため、腱鞘炎の症状を悪化させたり、再発の引き金になったりすることがあります。特に、手首や指先は冷えやすいため、寒い時期は手袋などで保温を心がけましょう。そして、もし痛みや違和感を感じ始めたら、早めに安静にし、無理をしないことが重要です。初期の段階であれば、十分な休息と適切なケアで悪化を防ぐことができます。これらの予防策を日常生活に取り入れ、手や指への負担を軽減するよう心がけることが、腱鞘炎の再発を防ぐための鍵となります。
腱鞘炎の再発予防日常生活での注意点