ある日突然、足の親指の付け根などに激しい痛みが走り、赤く腫れ上がる…。このような症状は「痛風発作」の典型的なサインかもしれません。痛風は、血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が長く続くことで、尿酸が関節などに結晶として蓄積し、それが原因で急性の関節炎(痛風発作)を引き起こす病気です。放置すると、発作を繰り返したり、腎臓障害や尿路結石、生活習慣病などを合併したりするリスクもあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。では、この痛風が疑われる場合、まずどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科としては、内科またはリウマチ科が挙げられます。内科医は、全身の様々な症状に対応しており、痛風の初期診断や、背景にある高尿酸血症の管理において中心的な役割を担います。問診(症状の詳しい聞き取り、いつから、どの部位が痛むか、飲酒歴や食生活など)や診察(患部の腫れや熱感の確認など)、そして血液検査(尿酸値や炎症反応など)を行い、痛風であるかどうかを判断します。リウマチ科は、関節や膠原病(自己免疫疾患)を専門とする診療科であり、痛風のような関節炎の診断と治療に精通しています。特に、他の関節炎(例えば、偽痛風や関節リウマチなど)との鑑別が必要な場合や、痛風結節(尿酸の結晶が皮下などにできるしこり)がある場合などには、リウマチ科での専門的な診療が有効です。また、整形外科も選択肢の一つです。関節の痛みや腫れが主な症状であるため、整形外科を受診する方も少なくありません。整形外科では、関節の状態を評価し、痛風発作時の消炎鎮痛処置などを行ってくれますが、高尿酸血症の長期的な管理については、内科やリウマチ科との連携が必要になることが多いです。かかりつけ医がいる場合は、まず相談し、症状に応じて適切な専門科を紹介してもらうという方法も良いでしょう。大切なのは、自己判断で市販の痛み止めだけで済ませたりせず、必ず医療機関を受診し、医師の診断を仰ぐことです。