手足口病にかかり、熱があったり、口の中の痛みが強くて機嫌が悪かったりすると、無理にお風呂に入れるべきか迷うことがあります。そんな時は、シャワーだけで済ませるという選択肢も考えてみましょう。手足口病の時の入浴の判断は、子どもの全身状態が最も重要です。高熱が出ていてぐったりしている、嘔吐や下痢が頻繁で脱水症状が心配される、口の中の痛みがひどくて水分も摂りたがらないといった場合は、体力を消耗させる可能性のある入浴は避けるべきです。このような時は、お湯で濡らして固く絞ったタオルで、汗をかきやすい首筋や脇の下、背中などを優しく拭いてあげる(清拭)だけでも、さっぱりとして気持ちが良いものです。無理強いはせず、子どもの負担にならない範囲で清潔を保つようにしましょう。もし、熱も比較的落ち着いていて、機嫌も悪くなく、ある程度食欲もあるようであれば、シャワー浴を検討しても良いでしょう。シャワー浴であれば、湯船に浸かるよりも体力の消耗が少なく、短時間で体を清潔にすることができます。シャワーの際も、水疱を破らないように、石鹸をよく泡立てて手で優しく洗い、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。水圧が強すぎないように注意しましょう。入浴後に体が冷えないように、すぐに水分を拭き取り、衣服を着せてあげることも大切です。湯船に浸かる場合は、前述の通り、熱すぎないお湯で、長湯は避け、水疱を刺激しないように優しく洗うことが基本です。最終的な判断は、かかりつけの小児科医に相談するのが最も確実です。医師は、子どもの症状の程度や全身状態を総合的に診て、入浴の可否や注意点についてアドバイスをしてくれます。自己判断で無理をさせず、子どもの体調を最優先に考え、その時々の状態に合わせて最適な方法で清潔を保つように心がけましょう。