妊娠中は、ホルモンバランスの変化や免疫力の低下、つわりによる栄養不足など、様々な要因から口内炎ができやすくなります。つらい口内炎に悩まされないためには、日頃からの予防が大切であり、また、できてしまった場合には早めに産婦人科のかかりつけ医に相談することが重要です。まず、予防のために心がけたいのは、口腔内を清潔に保つことです。毎食後と就寝前には、丁寧に歯磨きを行い、食べカスや細菌を取り除きましょう。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも活用すると効果的です。つわりで歯磨きが辛い時は、無理のない範囲で、うがいだけでもこまめに行いましょう。次に、バランスの取れた食事です。皮膚や粘膜の健康を保つためには、ビタミンB群(レバー、卵、乳製品、緑黄色野菜など)、ビタミンC(果物、野菜など)、鉄分(赤身の肉や魚、大豆製品など)、亜鉛(牡蠣、肉類など)といった栄養素をバランス良く摂取することが大切です。妊娠中は特にこれらの栄養素が不足しやすいため、意識して摂るようにしましょう。十分な睡眠と休息も、免疫力を高め、口内炎を予防するためには不可欠です。ストレスを溜めないように、リラックスできる時間を作ることも心がけましょう。口の中を乾燥させないことも重要です。こまめに水分を摂取し、唾液の分泌を促しましょう。もし、口内炎ができてしまったら、早めに産婦人科のかかりつけ医に相談しましょう。医師は、妊娠中の状態を考慮しながら、安全に使用できる塗り薬や貼り薬、あるいはビタミン剤などを処方してくれます。また、症状によっては、歯科や口腔外科、皮膚科といった他の専門科への紹介も検討してくれます。自己判断で市販薬を使用したり、痛みを我慢したりするのは避けましょう。特に、口内炎が頻繁にできる、なかなか治らない、数が多い、あるいは発熱や他の全身症状を伴う場合は、他の病気が隠れている可能性もあるため、必ず医師の診察を受けるようにしてください。妊娠中の口内炎は、適切な予防と早めの対処で、つらさを軽減することができます。