発熱後に体に発疹が現れた場合、特にコロナ禍においては「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ではないか」と心配になることが多いでしょう。しかし、発熱と発疹を引き起こす病気は他にもたくさんあり、正確な鑑別が重要です。コロナウイルス感染症による皮膚症状と、他の代表的な発疹症との見分け方のポイントをいくつかご紹介します。まず、コロナウイルス感染症の皮膚症状は、非常に多彩で、特定のパターンがないのが特徴です。麻疹(はしか)や風疹(三日ばしか)に似た赤い斑点や丘疹、蕁麻疹様の膨疹、水痘(みずぼうそう)様の水疱、あるいはしもやけに似た凍瘡様紅斑など、様々なタイプが報告されています。発疹の出現時期も、発熱と同時期、数日後、あるいは回復期など、一定していません。一方、麻疹は、高熱、咳、鼻水、目の充血といったカタル症状が数日続いた後に、顔から全身に融合傾向のある赤い発疹が広がります。口の中にコプリック斑という白い粘膜疹が見られるのも特徴です。風疹は、発熱とほぼ同時に、顔や首から全身に細かい淡紅色の発疹が広がり、耳の後ろや首のリンパ節が腫れます。突発性発疹(主に乳幼児ですが稀に成人)は、高熱が三~四日続いた後、熱が下がるのとほぼ同時に、体幹部を中心に赤い発疹が現れます。溶連菌感染症では、高熱や喉の痛みとともに、猩紅熱様発疹という細かい赤い点状の発疹が全身に広がり、舌がイチゴのようにブツブツになる「イチゴ舌」が見られることがあります。薬疹の場合は、特定の薬を服用し始めてから数日~数週間後に、様々なタイプの発疹が現れ、発熱を伴うことがあります。原因薬剤の特定が重要です。これらのように、他の発疹症には、それぞれ特徴的な発疹の性状や分布、出現時期、随伴症状などがあります。しかし、これらの情報だけで自己判断するのは危険です。特に、コロナウイルス感染症は症状の個人差が大きいため、発疹の見た目だけで鑑別するのは困難です。必ず医療機関を受診し、医師による診察と、必要に応じた検査(PCR検査や抗原検査など)を受け、正確な診断を得るようにしましょう。