ロタウイルス感染症にかかり、嘔吐や下痢の症状がある時は、食事と水分補給に特に注意が必要です。適切な対応を行うことで、脱水症状を防ぎ、体力の消耗を抑え、早期の回復を促すことができます。まず、最も重要なのは水分と電解質の補給です。嘔吐や下痢によって失われた水分と塩分、カリウムなどを補うために、経口補水液(ORS)が最も適しています。薬局などで市販されており、乳幼児用のものもあります。もし手元にない場合は、スポーツドリンクを水で薄めたり、湯冷ましに少量の食塩と砂糖を溶かしたものでも代用できます。母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんの場合は、医師の指示がない限り、いつも通りに授乳を続けて問題ありません。水分は、一度にたくさん飲ませると吐いてしまうことがあるため、スプーンやスポイトを使って、少量ずつ、頻繁に与えるのがポイントです。嘔吐がある場合は、吐き気が落ち着いてから、まずは一口から試し、徐々に量を増やしていくようにしましょう。食事については、症状が強い間は無理に食べさせる必要はありません。食欲が出てきたら、消化が良く、胃腸に優しいものから少しずつ始めましょう。おかゆやうどん(柔らかく煮込んだもの)、すりおろしたリンゴ、バナナ、野菜スープ、豆腐などがおすすめです。脂っこいものや香辛料の強いもの、食物繊維の多い野菜や果物、乳製品(ヨーグルトは少量なら良い場合もありますが、牛乳は避けた方が無難です)、柑橘系のジュースなどは、胃腸に負担をかけ、下痢を悪化させる可能性があるため、症状が落ち着くまでは避けましょう。食事の量は、本人の状態を見ながら、少量ずつ、回数を分けて与えるのが良いでしょう。もし、水分も全く受け付けない、ぐったりしている、尿の量が極端に少ないといった場合は、脱水症状が進行している可能性があるため、速やかに医療機関を受診し、点滴などの処置を検討してもらう必要があります。医師や看護師、栄養士のアドバイスを受けながら、焦らず、ゆっくりと回復を目指しましょう。