健康診断で肝機能の異常を指摘され、精密検査(血液検査や腹部超音波検査など)を受けた結果、「特に大きな異常は見つかりませんでした」「今のところ心配いりません」と言われると、ひとまず安心するでしょう。しかし、それで完全に安心しきって良いのでしょうか。精密検査で明らかな病気が見つからなかったとしても、いくつかの点に注意が必要です。まず、精密検査の結果が「異常なし」であっても、最初の健康診断で肝機能の数値が基準値を超えていたという事実は変わりません。その原因が、一時的なもの(例えば、検査前の飲酒や食事、薬剤の影響、あるいは体調不良など)であった可能性もありますが、生活習慣の乱れ(肥満、運動不足、不規則な食生活、ストレスなど)が潜在的なリスクとして存在している可能性も否定できません。これらの生活習慣は、将来的に脂肪肝や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)といった肝臓の病気を引き起こしたり、他の生活習慣病(糖尿病や高血圧、脂質異常症など)を発症させたりする原因となり得ます。したがって、精密検査で「異常なし」と診断されたとしても、これを機に、自身の生活習慣を見直し、改善に努めることが大切です。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、節酒、禁煙などを心がけましょう。また、定期的な健康診断は必ず受け続けるようにしてください。一度「異常なし」と診断されても、その後、肝機能が悪化したり、新たな病気が発生したりする可能性はゼロではありません。特に、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、初期には自覚症状が現れにくいという特徴があります。定期的な検査によって、早期に異常を発見し、対処することが重要です。そして、もし精密検査で「軽度の脂肪肝」や「経過観察」といった指示があった場合は、医師の指示に従い、定期的なフォローアップを受けるようにしましょう。脂肪肝も放置するとNASHに進行し、肝硬変や肝臓がんのリスクを高めることがあります。精密検査で異常が見つからなかったとしても、それは「今のところ」であり、油断せずに健康的な生活を維持し、定期的なチェックを怠らないことが、肝臓の健康を守るために何よりも大切です。