健康診断や人間ドックの結果、「肝機能の数値に異常が見られます。精密検査を受けてください」と通知が来たら、誰でも不安になるものです。「一体どこで、何科を受診すれば良いのだろう?」と迷ってしまう方も少なくないでしょう。肝機能の精密検査を受ける際に、まず最初に相談すべき診療科は、消化器内科または肝臓内科(肝臓専門医のいる内科)です。消化器内科は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管の病気に加え、肝臓、胆嚢、膵臓といった消化器関連臓器の病気も専門としています。肝臓内科は、その中でも特に肝臓の病気に特化した診療を行います。これらの診療科では、まず詳しい問診(自覚症状の有無、飲酒歴、既往歴、家族歴、服用中の薬など)と、血液検査の結果の再確認が行われます。そして、肝機能異常の原因を特定するために、追加の血液検査(ウイルス性肝炎のマーカー、自己免疫性肝炎のマーカー、鉄や銅の代謝異常を調べる検査など)や、腹部超音波(エコー)検査といった画像検査が行われるのが一般的です。腹部超音波検査は、肝臓の形や大きさ、脂肪肝の有無、肝臓内の腫瘍や結石の有無などを比較的簡単に調べることができる非侵襲的な検査です。これらの初期の精密検査で、ある程度の原因が推測できることが多いですが、さらに詳しい情報が必要な場合や、より専門的な治療が必要と判断された場合には、CT検査やMRI検査といった高度な画像検査や、場合によっては肝生検(肝臓の組織を一部採取して顕微鏡で調べる検査)が行われることもあります。かかりつけの内科医がいる場合は、まずその医師に相談し、精密検査が必要かどうか、そしてどの専門科を受診すべきかアドバイスをもらうのも良いでしょう。大切なのは、肝機能の異常を指摘されたら、放置せずに早めに専門医の診察を受けることです。早期発見と適切な対処が、肝臓の健康を守るために非常に重要になります。
肝機能の異常を指摘された!精密検査は何科へ?