ロタウイルス感染症の二大症状とも言えるのが、激しい下痢と嘔吐です。これらの症状にはどのような特徴があり、どのくらいの期間続くのでしょうか。まず、嘔吐は、ロタウイルス感染症の初期症状として突然始まることが多いです。噴水のように勢いよく吐いたり、飲んだり食べたりしたものをすぐに吐き戻したりします。嘔吐の回数は、発症後一日から二日間がピークで、その後徐々に落ち着いていくのが一般的ですが、個人差が大きく、数日間続くこともあります。嘔吐が激しいと、胃液だけでなく胆汁(黄色や緑色の液体)を吐くこともあります。次に、下痢ですが、嘔吐とほぼ同時か、少し遅れて始まります。最初は普通の便でも、次第に水のようなサラサラとした便(水様便)になり、排便回数も一日に何度も、時には十回以上に及びます。ロタウイルスの下痢で特徴的なのは、便の色が白っぽくなることです。米のとぎ汁のような、あるいは薄いクリーム色のような便で、「白色便」や「仮性コレラ様便」とも呼ばれます。これは、ロタウイルスが小腸の粘膜を傷つけ、消化吸収機能が低下することで、脂肪の消化がうまくいかなくなり、便に脂肪分が多く含まれるようになるためと考えられています。ただし、全ての場合で白色便になるわけではなく、黄色っぽい水様便のこともあります。下痢は、通常、三日から七日間程度続きますが、長い場合は一週間以上続くこともあります。嘔吐と下痢が同時に、かつ頻回に起こるため、ロタウイルス感染症では脱水症状を起こしやすいのが大きな特徴です。特に乳幼児は、体内の水分量が大人に比べて多く、また、自分で水分補給をすることが難しいため、注意が必要です。口の中が乾燥している、おしっこの回数や量が減っている、ぐったりしているといった脱水症状のサインが見られたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
ロタウイルス下痢と嘔吐の特徴と期間