「風が吹いても痛い」と表現されるほどの激しい痛みを伴う痛風発作。この耐え難い痛みは、一体なぜ起こるのでしょうか。そして、発作が起きてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。痛風発作の原因は、血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が長く続くことで、関節内に尿酸塩の結晶が蓄積し、それが何らかのきっかけ(例えば、激しい運動、暴飲暴食、ストレス、脱水、急激な尿酸値の変動など)で関節包内に剥がれ落ち、白血球がそれを異物と認識して攻撃を始めることで、急激な炎症反応が起こるためです。この炎症反応によって、プロスタグランジンやサイトカインといった炎症物質が大量に放出され、激しい痛み、腫れ、赤み、熱感といった症状が現れるのです。最も発作が起こりやすい部位は、足の親指の付け根(第一中足趾節関節)ですが、その他にも足首、膝、手の指、肘など、様々な関節に起こり得ます。痛風発作が起きてしまった場合の対処法としては、まず、患部を安静にし、高く上げて冷やすことが基本です。冷却は、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。ビニール袋に氷と少量の水を入れ、タオルで包んで患部に当てましょう。無理に動かしたり、マッサージしたりするのは、炎症を悪化させる可能性があるため避けましょう。そして、できるだけ早く医療機関(内科やリウマチ科など)を受診し、医師の指示に従って薬物療法を開始することが重要です。痛風発作時の治療薬としては、主に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:ロキソプロフェンやジクロフェナクなど)や、コルヒチン、ステロイド薬(内服または関節内注射)が用いられます。これらの薬は、炎症を強力に抑え、痛みを軽減する効果があります。発作の初期に服用を開始するほど効果が高いとされています。ただし、自己判断で市販の鎮痛薬を服用する場合は、アスピリンは尿酸値を変動させる可能性があるため避けた方が良いでしょう。また、痛風発作が治まっても、根本的な原因である高尿酸血症が改善されなければ、発作は再発します。発作が治まったら、必ず医師の指導のもと、尿酸値を下げる治療(薬物療法や生活習慣の改善)を開始することが大切です。