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緊張型頭痛と後頭神経痛痛みの特徴と診療科
後頭部や首の付け根の痛みの原因として比較的よく見られるのが、「緊張型頭痛」と「後頭神経痛」です。これらは、痛みの性質や特徴、そして治療法が異なるため、正しく鑑別診断を受けることが重要です。まず、緊張型頭痛は、頭全体または後頭部から首筋にかけて、締め付けられるような、あるいは圧迫されるような、重く鈍い痛みが持続的に続くのが特徴です。ヘルメットをかぶったような感じ、と表現されることもあります。多くの場合、肩や首のこりを伴い、精神的なストレスや身体的なストレス(長時間の同じ姿勢、目の疲れなど)が誘因となります。日常生活への支障は比較的軽いことが多いですが、慢性化すると生活の質を低下させることがあります。吐き気や嘔吐、光や音への過敏といった症状は通常ありません。緊張型頭痛が疑われる場合の相談先としては、神経内科や頭痛外来、あるいは心療内科が挙げられます。治療は、鎮痛薬(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬など)の頓用や、肩こりや筋肉の緊張を和らげるための筋弛緩薬、抗不安薬などが用いられることがあります。また、ストレッチやマッサージ、温熱療法、生活習慣の改善(ストレス管理、適度な運動、正しい姿勢など)も重要です。一方、後頭神経痛は、後頭部を走る神経(大後頭神経、小後頭神経など)が、筋肉の緊張や不良姿勢、あるいは稀に帯状疱疹ウイルスなどによって刺激されることで起こります。痛みは、後頭部から頭頂部、耳の後ろにかけて、片側または両側に、ズキンとしたり、ピリピリとしたり、チクチクとしたりする、電気が走るような突発的で鋭い痛みが数秒から数分程度、断続的に繰り返すのが特徴です。頭皮に触れると痛む(アロディニア)こともあります。後頭神経痛が疑われる場合の相談先は、神経内科またはペインクリニックが専門となります。治療は、神経障害性疼痛治療薬(プレガバリンやガバペンチンなど)や、抗うつ薬、消炎鎮痛剤などが用いられます。痛みが強い場合には、神経ブロック注射が非常に効果的なことがあります。